最も過酷な半導体製造プロセス用途向けに、FFKMシール材料の中で最高クラスの4種類の新材料を開発

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トレルボルグ シーリング ソリューションズは、過酷な半導体製造プロセス用途向けに4種類のイソラスト PureFabTMを新開発いたしました。独自のポリマー主鎖と架橋技術を施したパーフロロエラストマー(FFKM)となっているためOEMまたはファブでのプロセス用途において、歩留まりの高い生産とプロセス不具合の減少を実現する材料となっています。つまり、ダウンタイムの減少とメンテナンスサイクルの長期化により、製造装置の稼働時間をこれまで以上に延ばすことできるため、CoO (Cost of Ownership)削減が実現できる、FFKMの中で最高クラスの新材料となっています。

新たに開発した下記の4種の半導体製造プロセス向け材料は、優れた機械特性に加え、耐プラズマ性、アウトガス特性、熱安定性を損なうことなく、パーフロロエラストマーの中でも最高レベルの純度を発揮する材料となっています

  • イソラスト PureFab™ JPF10 有機系材料のみで構成された耐リモートプラズマ性に優れた材料
  • イソラスト PureFab™ JPF20 あらゆるプラズマへの優れた耐性と過酷な環境下であってもパーティクルが極めて微量となる材料
  • イソラスト PureFab™ JPF21 長期間での熱安定性に優れ、金属溶出も極めて低い材料
  • イソラスト PureFab™ JPF30 FFKM半透明材の中でも最高クラスの耐高温特性を誇り、極めて高い純度のFFKM材料

 

要望にお応えする材料の開発とそのパフォーマンスを実証するために


Murat Gulcur (当社セミコンダクターマテリアル デベロップメントマネージャー) によると、『当社では、顧客の声に耳を傾け、R&Dのリソースを注ぎ込み、過酷で重要度の高い最先端プロセスでのご要望等にお応えする4種類のイソラスト FFKM材料を新たに開発しました。今回開発した新材料は、業界最高クラスとなっており、今日のセミコン業界で求められている要求事項にお応えできることはもちろんのこと、今後の開発案件における要望へもお応えできるFFKM材料となっています。』

半導体製造プロセスで使用するシールでは、シールを長寿命化させることとコンタミ(または汚染)発生の可能性を最適にバランスさせるうえで、正しい材料を選択することが特に重要となっています。しかしながら、これは半導体の微細化が進むことでより一層難しい課題となっていきます。今日の最先端の技術ではノードが5 nm(ナノメートル)ほどですが、今後3 nmでの製造も予測されているため、純度とクリーン度の重要性がこれまでに以上に高まります。』

 

『このような傾向を背景とし、当社では長期での機械的特性テストや金属溶出とアウトガステストを含む純度テストそしてプロセスガス中でのプラズマによる浸食テストと多岐にわたるテストを24ヶ月以上にわたり行いました。

 

『当社のエンジニアは、これらのテスト結果と競合製品との比較データを用いながら、お客様のご使用となるプロセス薬品ごとに、または装置の環境や半導体製造プロセスで求められるツールの複雑性ごとに、最も効果的なシール材料を的確にご提案することで、お客様の開発チームをサポートすることができます。これらのサポートや技術データによって、お客様が新たにシール材料を選定する際のリスク削減に大きく貢献することができます。』

 

イソラスト PureFab™ 製品構成

イソラスト PureFabTM JPF10は、独自の架橋技術により耐プラズマ特性を向上させ、さらに有機系フィラーのみで製造した材料となっています。高温環境下であっても極めて低い金属溶出と長寿命であることから、有機系材料のFFKMの中でも最高クラスの性能を発揮する材料となっています。

 
Murat Gulcurは続けます、『これまで以上にシール材料に関する要求項目が厳しくになっている半導体性製造プロセスがいくつもあります。例えば、プロセスノードが10 nm以下となると、エラストマーパーツはウェハーに極めて近い箇所で使用されるため、フィラーを全く使用しない特別なポリマー主鎖を持つ、純度の極めて高い半透明FFKM材料がウェハー製造の歩留まりを維持するために必要とされます。』
 

イソラスト PureFabTM JPF30は、他の半導体製造プロセス向け半透明FFKM材と比較しても、大変優れた耐高温特性を発揮し長寿命な材料となっています。

イソラスト PureFabTM JPF20は、最新のナノレベルの高表面積フィラーを充填しているため、材料に含まれるフィラーの合計量が競合の材料に比べ極めて低くなっています。これにより、パーティクル発生を極小化しながら耐プラズマ性を最大限に高めています。

イソラスト PureFabTM JPF21も同様に合成フィラーを使用しているため+320 ℃(+593 °F)までの優れた高温特性を発揮し、フッ素ベースのプラズマに晒されてもパーティクル発生が極小となる材料となっています。この材料は優れた圧縮永久歪み特性を有するため、スリットバルブドア用のボンデッドシールのような運動用途としても最適な材料となっています。

  

半導体業界向けの問題解決のために

今回開発した新材料:イソラスト PureFabTMは、酸化、拡散、RTP、ALD、メタルCVDに代表されるサーマルプロセスはもちろんのこと、成膜、エッチング、アッシング、ストリッピングを含むプラズマプロセスの最先端プロセスにおける重要性の極めて高い用途で特に適した材料となっています。

 
 

Chris Busby (当社、プロダクトラインディレクター・セミコンダクターセグメントリーダー)によると、『トレルボルグ シーリング ソリューションズは、半導体業界向けのシールソリューションプロバイダーとして、設計とエンジニアリング分野で評価を得ています。グローバルにビジネスを展開している半導体製造装置のOEMメーカやファブのお客様がどの地域でサポートを必要しても、各地域の当社セミコン選任担当がお客様のグローバルでの開発を支援いたします。』

 

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