トレルボルグ、水素テストの能力を強化

これは、トレルボルグの戦略目標の一環であり、水素アプリケーション用途向けシールおよびテストにおけるリーダーシップを目指しています。そして、お客様が水素バリューチェーン全体の課題を解決できるよう支援し、水素の生成から輸送、貯蔵、最終使用、そして将来の応用に至るまで対応することを目標としています。
イノベーション&テクノロジー担当バイスプレジデントであるKonrad Saurは、次のように述べています。「お客様が水素テストの仕様をご存じないことがよくあります。水素テストの手順が不明の場合、特定用途またはオイル&ガス用途向けに確立された、既存のテスト基準に頼るようになります。しかし、これらのテストは水素アプリケーション用途向けには対応しておりません。トレルボルグでは、水素用シールの仕様に関する専門知識に基づいて、水素アプリケーション用途向けに特化したテスト体制を整えました。」
この施設で行われるテストは、水素用シールにとって重要な基準である水素漏れ検出、互換性、運動用途のテストおよび浸透テストが含まれています。この施設の技術員が、急速ガス減圧の最悪の適用条件を想定したテストを繰り返し行います。このテストを実施する理由は、高圧の水素がシールに浸透し、急速に圧力が解放された場合にシール内のガスが膨張してシールの破損を引き起こす可能性があるためです。また、圧力15,000 PSI/1,034 barまでや極低温から350°F/180°C以上までの温度範囲でのテスト、さらには様々な温度での圧力サイクル試験も行えます。
研究開発サービス担当ディレクターのJohn Mclaughlinは、次のように述べています。「エネルギー貯蔵と燃料という両方の用途で使用される水素は、劇的な排出量削減を実現可能にする鍵だと言われています。デロイトの調査によると、水素には9兆米ドル以上の投資が見込まれており、その規模はオイル&ガスや自動車市場の合計を上回ると予測されています。
水素用シールの市場ニーズは、標準品から高度な特殊設計品まで多岐にわたりますが、シール業界においては、このアプリケーションで豊富な経験を持つサプライヤーはほとんどありません。現在のテスト能力とこの新施設の能力を合わせることで、トレルボルグはほぼ全ての水素用シールへの要求事項をサポートできます。当社では、現行の基準だけでなく、今後新たに基準等が追加されたとしても、それに対応できる材料群や多くのソリューションを有しています。また、トレルボルグは、今後多忙になることが予想される外部の研究所などには依存せずに、自社のテストラボを活用できます。そのため、お客様へはハードウェアの開発やテストの要求に対するサポートのご依頼などをお送りいただくようにお勧めしています」
トレルボルグは先頃、水素アプリケーション用途向け材料として、各バリューチェーンでご使用いただけるH²Pro™シリーズを開発しました。このシリーズには、広範囲の温度条件で高圧環境に適した、新しいエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)であるH²Pro™ EBT25や、極低温用に適した独自材料の熱可塑性ポリウレタンであるZurcon® H²Pro™ ZLTなどがあります。
H²Pro™材料は、下記のような用途でも使用可能です:
- ターコン®ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびバリリップなどのリップシールとして使用される熱可塑性複合材料
- 固定、運動用途で極低温圧縮水素および液体水素 (LH²) を使用する場合に適したV-スタック シール
- ブルー水素用のフッ素ゴム (FKM) シール
- 低圧力用途向けの低硬度EPDM複合材およびシリコーン複合材
- 液体水素(LH²)向けの固定用金属製シール
- コンプレッサー用途向けの耐摩耗性に優れた複合材料ベアリングおよびピストンリング
トレルボルグは、水素用シールとテストソリューションのリーディングカンパニーを目指しています。
新しいテストラボとH²Pro™シール材料により、当社は、水素アプリケーションにおけるお客様の要望に応える準備が整っています。H²Pro™の詳細については、下記をご覧ください: https://www.trelleborg.com/ja-jp/seals/your-industry/hydrogen-sealing