トレルボルグは、回転シールの新製品を発売します。回転装置を高圧下でより高速に長期間可動できます。

トレルボルグは、回転シールの新製品を発売します。<br> 回転装置を高圧下でより高速に長期間可動できます。
トレルボルグシーリングソリューションズでは、革新的な回転シール“ターコン® ロトグライドリング V ”の発売を開始いたします。 このシールは、より長寿命が要求される過酷な使用条件下で使用する両圧用回転シールとして開発した製品です。
高いPV値が求められる機器や装置でご使用いただける製品として開発しているため、高圧環境下であっても高い速度で運転でき使用寿命を延ばすことができます。ターコン® ロトグライドリング Vは、大変優れたシール性と信頼性を発揮する高機能な両圧用の回転シールです。 シール性を犠牲にすることなく、あらゆる使用条件下でシールのしゅう動面積を減らせるため、更なる低フリクション化と耐磨耗性の向上を実現しています。
このシールは、高PV値や低PV値で連続運転できるように設計されていますが、揺動運動や圧力や速度が頻繁に変化する用途でも、優れたシール性が発揮できるように改善されています。


Henrik Vollmond (プロダクトマネージャー)によると、『 お客様には、現在使用しているシールのPV値よりも高いPV値の回転シールを使用したいという長年の強い希望がありました。 そこで、この要望に応えるべく、当社ではより高圧、より高速条件下で使用できる回転シールの開発を始めました。 そして、この開発の結果が独自のターコン® ロトグライドリングVという形で実現することになりました。 このシールは、より高圧・高速条件での使用が可能となるだけでなく、低発熱という長所によって、シールの寿命を大きく延ばすことができます。
装置のオペレータにとって、メンテナンス頻度を減らし、省エネとなることは、トータルでの低コスト化に繋がります。 』


テスト結果では、0.5 MPaより高い全ての圧力環境下で低トルクを示し、0.5 MPaから20MPaまで圧力を上昇させても、シールは圧力上昇の影響を受け難いという結果が得られています。 PV値については、その他の両圧用回転シールに比べ、約2倍のPV値を達成し、フリクションは50%低減することができました。 更に、シールリングとO-リングの磨耗は大変低く、計測不可能な値でした。

その他の組み合わせシールのように、低圧時であっても十分なシール性を確保するためにO-リングの初期締め代によって、シールとシール相手面の間に十分な押し付け力が発生する仕組みとなっています。 システム圧力が上昇すると、圧力がO-リングとシールリングに伝わり、全ての圧力条件下で、シール接触面に対し確実なシール性を発揮します。

ターコン® ロトグライドリング Vの特長は、バルブ機能が組み込まれていることです。 バルブポートはターコン®材のシールリングの両側から油溜まりの役割を果たすシールリング中央のスペース向かって施されています。 このシールリング中央部の油溜まりスペースには、エラストマーリングが組み付けられており、固定時にポートから漏れが発生するのを防いでいます。

ターコン® ロトグライドリング Vが片側から圧力を受けると、中央部のエラストマーリングが圧力側のポートを開き、圧力がエラストマーリングの下へ導かれます。 これによりシールリングの圧力側半分以上の部分で圧力がバランスすることとなります。 また、ポートを通し圧力を導入させることで、シールのシャフト側に伸びた“足”部分のスペースに作動油を導き、シールしゅう動面の潤滑性を改善させる役割も果たしています。

ターコン® ロトグライドリング Vは、過酷な使用条件下で長寿命が求められる装置で理想的なシールとなります。 代表的な使用例は、マシニングセンタ、油圧スイベル、回転継手、油圧ショベル、林業機械、油圧回転アクチュエータ、ロボット、マニュピレータ、インデックステーブル、ピボットモータ、油圧モータ、ブロー成形機、石油掘削用のトップドライブやコアバーレルなどです。

ターコン®ロトグライドリングVの特長
標準材料での最大推奨動作温度は+100℃(低PV値では、最大150℃)。
標準品のロトグライドリング用溝に組みつけられるよう設計されています。
4つの断面形状シリーズを下記の範囲でご利用いただけます。
シャフト径:35 mm ~ 500 mm
ボア径:22 mm ~ 500 mm

ターコン® ロトグライドリング Vを使用する際は下記の点にご注意ください。
圧力は最大 30 MPaとしてください。
速度は最大2.0 m/sとしてください。
ターコン® ロトグライドリングVは、PV値が10 MPa×m/sまでのテストで成功しています。

本シールは特許申請済みです。