課題
手術器具用使い捨てスリーブの開発
- 低侵襲手術で組織を切開・焼灼するために使用する医療器具の設計改善を検討していた
- 手術器具用のディスポーザブルで生体適合性のある柔軟なスリーブカバーを作り、器具を再使用可能にすることを目標とした
- 新しいスリーブには、薄く(0.55mm)、破れにくく、熱に強く、摩擦係数が低く、着脱が簡単で、医師の動きやすさを維持することが求められた
- 他社が提案したシリコーン材料では、一貫性と耐久性に欠け、外科手術の有効性と完全性、そして臨床結果を危うくするものであった
ソリューション
コラボレーションによる材料の化学的特性を最適化
- トレルボルグのプロダクトエンジニアとマテリアルエンジニアが、お客様の技術チームと協業し、材料の化学的特性の最適化を実施
- 必要とされる耐熱性を満たすため、フッ素ゴム(FKM)を選択
- FKMを使用して薄い断面作るという課題に対応するため、配合の異なる2種類の材料を開発し、更にこれらの配合量の調整を行うことで材料ごとに3つの異なる硬さのグレードをお客様の評価・性能分析試験用に製作
- 2種類の材料を硬さの異なるグレードで提供することで、お客様が触感などを評価を行う際の選択肢を提供
- 機器への取り付けを容易にするため、表面コーティングを施し低摩擦化を実現
結果
あらゆる場面でお客様のニーズに応えた材料
- 9つのサンプルを評価を実施し、その中から最終的な高性能ソリューションに向け調整を行った
- 特別に開発した材料は引裂強度を277%、伸びを287%向上させ、弾力性を大幅に改善
- お客様はトレルボルグを選択し、試作と製造をスタートさせた
- 臨床転帰を改善し、トータルコストを削減することで、外科医への価値提案が増加