ニスコートの大幅な品質向上と生産ロス解消に貢献 ゴム素材を用いた新コーター用版材「Xコート」 旭日工業株式会社

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ニスコートの大幅な品質向上と生産ロス解消に貢献 ゴム素材を用いた新コーター用版材「Xコート」 旭日工業株式会社

高い意匠性が求められるパッケージ等の印刷物において、艶や光沢を表現するニスコートは重要な役割を担います。2017年、バルカンシリーズに新登場したのが、ゴム素材を使ったコーター用版材「Xコート」です。旭日工業株式会社(本社:静岡県富士宮市)では、Xコートの採用によりコーティングした印刷物の質感の美しさを増しながら、生産ロスをなくし、歩留まりを大きく改善しました。同社の本社工場を訪ね、工場長・若林真二氏および印刷課課長・佐野久男氏にお話を伺いました。


高級パッケージの製造を軸にした事業展開

旭日工業の創立は1948年。今年で70周年を迎える同社は、特殊紙に強い東京製紙グループの一員として、加工紙の提案・開発からパッケージ生産までを一括して行ってきました。グループ力を活かした特殊紙や特殊形状の印刷を得意とし、高級パッケージやクリアケース、ブリスター台紙を柱とする事業を営みます。取扱商品の6~7割を占める化粧品パッケージの他、雑貨や食品のパッケージなどを多く手がけ、装飾性の高い印刷物の確かなクオリティでお客様の期待に応えています。

同社では2018年8月に、新たな主力機としてRMGT10(リョービMHI)を導入。営業・開発・製造が協働し、メーカーの選定から、機械の試用、工場内の配置計画まで、約2年半をかけた一大プロジェクトとしての設備更新でした。「UVコートにはこれまでDAIYA3D2+UV(三菱)を用いてきましたが、コーターを内蔵したRMGT10であればインラインでコーティングまで行えます。新体制による大幅な生産効率アップを狙いました」と工場長である若林氏は話します。

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Xコートによる仕上がりの美しさを実感

コーター用版材には、長年にわたって他社製品を使用してきた同社。「同価格帯で他に候補となる版材がなかったため比較検討できなかったのが実際ですが、コーティングしたニスの厚みのムラや、カット時の接着強度のばらつきなどには課題を感じていました」と話すのは印刷課課長の佐野氏です。

ガデリウスの営業担当から、Xコートの紹介を受けたのは2018年春のこと。従来、コーター用版材の表面材は樹脂シートが定番とされてきた中、Xコートはブランケット同様に弾力性のあるNBRゴムを素材とするのが大きな特徴です。これまでとは違う素材にニスを乗せたときにどうか、という点でさまざまな印刷会社様からの注目が高まってきていた商材でした。ブランケットで定評もあるバルカンシリーズの新商品ということで、旭日工業では他社に先駆けて早期にサンプルテストを実施。

「実際に使ってみると、他社品に比べて輝度や光沢に明らかな差を感じました。ニスコートをすれば当然艶は出ますが、表面に細かい凹凸が生じていた今までとは違い、Xコートを使ったコーティングは極めて平滑になります。版材でこうも仕上がりが違うものかと思いました」と佐野氏は驚きを語ります。

表面強度やゴミの付着しにくさという優位性

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Xコート採用にあたっては、剥がしの難易度やCAD適正も念入りに確認したという同社。コーター用版材はCADで描いた図面に沿ってカットし、不要部分を手作業で剥がしますが、表面と下地の接着が不十分では本来残すべきところまで剥がれてしまいます。「その点、Xコートは『しっかりくっついている』手ごたえがあり、必要な部分を正確に残してカットできます。接着強度が高いだけに剥がすときにはコツが必要ですが、裁断した断面もきれいで、従来のようにカットした際の部分からニスが染みて、耐久性が落ちるということがありません」と佐野氏。

また、同社がもうひとつ大きなメリットと感じたのが、高い平滑性によるゴミの付着しにくさです。ニスのゴミは検査装置では感知できないため、不良の原因になりやすいもの。これまでは社内の検査部署でのチェックでゴミが見つかり、印刷をやり直すことがしばしばあり、現場の負担となっていました。特殊紙の取り扱いが多いために、紙のロスはコスト面でも大きな損失となる上、オペレーターが機械を止めてゴミを取り除く時間のロスも生産性を低下させます。Xコートに変更してからは、ゴミの付着による手戻りはほとんど起きていないと若林氏・佐野氏は満足を語ります。

「RMGT10のテスト稼働が終わり、本生産に入ったことと併せて考えても、Xコートの採用は意義が大きかったですね。8色+コーター機を導入したからには、その能力を最大限に活かしきりたいという思いがあり、生産ロスを抑えられる資材は大変重要です」と若林氏。

ハジキニスとの相性の良さで広がる提案の幅

接着強度が安定したXコートなら、「今までより複雑で繊細なカットも可能になる」と旭日工業は期待を寄せます。高級パッケージを多く手がける同社だけに、多様なデザインのUVコートへの対応力は大きな強みとなります。同社の印刷現場では、Xコートとハジキニスとの相性の良さも実感しており、エンボス加工との組み合わせでさらに細やかな模様を表現できれば、顧客への提案の幅が広がると佐野氏たちは考えます。「もともとUVコートは、従来のPPフィルムを貼る手法に比べて紙をリサイクルできる点でエコな技術です。印刷機のみで複雑なデザインの艶や光沢を表現できるなら、当社のお客様にとっても費用対効果は大きく、UVコートにはますます可能性の広がりを感じています」と若林氏は笑顔を見せます。

近年のインバウンド需要に後押しされて、日本製品の市場は拡大の一途をたどります。それを背景に、旭日工業の生産量も毎年伸び続けているとのこと。顧客メーカーからのニーズに強力に応える同社を、ガデリウスは高品質な資材の提供を通して支え続けます。

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